「さちみちる生ハム工房」三股町 手作りで生ハムを製造している工場。懸命のリハビリの末、家族や友人のサポートのもと同店オープン!困難を乗り越え夢を実現させた

宮崎県三股町に佇む「さちみちる生ハム工房」さん。

2023年1月にオープンした同店は、手作りで生ハムを製造している工場です。

工場がメインとなりますが、月の第3土曜日に直売を行っています。直売では、地元の方や宮崎県内など多くの方でにぎわうそうです。

夢の実現のために壁を乗り越えて

お父様とその奥様、息子様で営まれている同店ですが、現在に至るまで壁が立ちはだかっていました。

お父様が生ハム工房を経営しようとしたきっかけとなったのは、知人からの紹介でした。

前職を退職した時、知人とともに生ハム工場の起業に携わり多くの人々に食べてもらえる生ハム開発に力を注いできました。

現在、生ハムはコンビニやスーパーで購入できるため人々の身近な存在になっていますが、当時はあまり世間に知れわたっていませんでした。

海外の生ハムを口にしながら、日本人の口に合うように改良を重ねる日々が続きます。

お父様は生ハムの勉強を重ねていくうちに、「国産の肉を使った日本製の生ハムをいつか作りたい」と考えるようになったそうです。

大きな夢を抱いていた矢先に突然脳梗塞を発症し、右片麻痺と失語症の後遺症が残ってしまいます。

懸命のリハビリの末、無事退院に辿り着くまでお父様の「生ハムを作りたい」という思いは変わりませんでした。

後遺症が残る中の仕事は平凡な道のりではなく、上手くいかないもどかしさも度々ありましたが「できないことばかり考えるのではなく、父ができないことは自分たちが補う」という息子様の言葉に前を向く決意ができたといいます。

そこから2年半の月日を経て、家族や友人のサポートのもと同店オープンが実現したのです。

丁寧さにこだわった生ハム

商品のこだわりについて店主に尋ねてみると、「生ハムを塩漬けする時、全て手作業で行っている。1枚1枚丁寧に取り扱っている。」と語っていました。

機械で作業することが多い生ハムですが、同店では手作業で行っていることがこだわりのポイント。

生ハムを「作る」のではなく、「育てる」というイメージを持っているそう。生ハム全体に旨味が染み込むようにひと手間やふた手間かけて作業を行っています。

なんと生ハムができるまで約1ヶ月ほどかかるそう!丁寧な熟成を重ねるからこそ、深い味わいが楽しめる生ハムが誕生するのです。

販売している商品は全部で5種類。

同店で作られた生ハムは、直売以外にもギフトでも販売しています。

お中元用やクリスマス、お歳暮の時には専用の用品を用意しています。また、ふるさと納税にも出品しているそうなので、気になる方はチェックしてみてください!

セットのみインターネットで購入することができますが、単品での購入は直売でのみとなります。

同店では、お中元の時期などに生ハムのほかにもベーコンやソーセージなどのセットも販売しています。

家族全員で楽しめるものや、お酒のおつまみになるような商品ばかりです。日頃お世話になっている方に送るプレゼントとして喜ばれること間違いなしですね!

高級なイメージを払拭したい

身近なイメージがついてきた生ハムですが、まだ「高そう」「手が出しにくい」という思いを持つ方も多いです。

店主はそのような思いを払拭し、生ハムは誰でも手軽に食べられるものというイメージに変えたいと語ります。

また、今後の展望について店主に尋ねてみたところ、「障害があっても働けるということを広めていきたい。仕事はもちろん、経営にも携わることができるということを知ってほしい。」

「これまで培ってきた知識を若い人へ受け継いでいきたい」と語っていただきました。

同店内では、障害を持つ方にも働きやすいようにバリアフリーの設計が施されています。いくつか手すりがあったり、床は段差などがあまりなくフラットな作りになっています。

また、今後は障害を持つ方向けの採用も考えているそうです。

店主の思いが込められた生ハムを育てる「さちみちる生ハム工房」さんの商品を、ぜひ一度お試しください。

■店舗情報

店名:「さちみちる生ハム工房」

住所:宮崎県三股町大字餅原270-1

電話番号:08078560866

定休日:日曜・祝日

Instagram:さちみちる生ハム工房(@sachi.mcr) • Instagram写真と動画

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