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はじめに
「新築と中古、正直どっちが得なんですか?」
この質問を不動産会社にすると、たいてい歯切れの悪い答えが返ってきます。それもそのはず——新築専門の会社は新築を、中古を扱う会社は中古をすすめるのが自然なことだからです。
この記事では、宮崎のローカルメディア「SUN」が宅建士の監修のもと、宮崎市の実際の価格データを使って正直に比較します。「万人に正解はない」のは事実ですが、「あなたの条件ならこちらが有利」と言い切れる判断軸を提供することが目標です。
特に2026年は、中古住宅に関わる税制が大きく変わった年です。「どうせ新築の方が得でしょ」と思い込んでいる方にこそ、最後まで読んでいただきたい内容になっています。
まず結論から
長い記事なので、先に結論を出します。
新築が向いている人:間取り・仕様にこだわりたい、修繕リスクを避けたい、省エネ性能を新品で手に入れたい方。
中古+リノベが向いている人:好きなエリアに予算内で住みたい、自分好みのデザインにしたい、総額を抑えて手元資金を残したい方。
そして**2026年の最大の変化は「中古の税制優遇が新築並みに拡充された」**こと。これにより、条件が合えば中古+リノベの方が総合的に有利になるケースが増えています。詳しく解説していきます。
宮崎市の新築・中古の価格差を知る
最初に、宮崎市における新築と中古の価格差を整理します。
エリア別の価格比較
| エリア | 新築(分譲) | 中古(築10〜20年) | 表面上の差額 |
|---|---|---|---|
| 大塚・大塚台 | 3,200万〜4,500万円 | 1,500万〜2,500万円 | △1,000万〜2,000万円 |
| 生目台・生目 | 2,800万〜4,000万円 | 1,300万〜2,200万円 | △1,000万〜1,800万円 |
| 清武・田野 | 2,200万〜3,200万円 | 1,000万〜1,800万円 | △800万〜1,400万円 |
| 佐土原 | 2,000万〜3,000万円 | 900万〜1,500万円 | △800万〜1,200万円 |
※中古価格は築年数・状態によって大きく異なります。SUN編集部調べ・2026年6月時点。
数字だけ見ると「中古の方が1,000万円以上安い」という印象を受けます。ただし、この「表面上の差額」がそのまま「お得の差」にはなりません。次のセクションで、比較するべき本当の数字を整理します。
「総額」で比較しないと判断を誤る
新築と中古を正しく比較するには、物件価格だけでなく「総額」で見る必要があります。
新築の総額の計算
物件価格 3,000万円
+ 諸費用(物件価格の3〜5%)約120万円
────────────────────
総額 約3,120万円
新築の諸費用は登記費用・住宅ローン手数料・火災保険などで、物件価格の3〜5%程度が目安です。
中古+リノベの総額の計算
物件価格(築15年・生目台エリア) 1,600万円
+ リノベーション費用(水回り・内装全面) 600万円
+ 諸費用(物件価格の6〜8%)約160万円
────────────────────
総額 約2,360万円
中古の諸費用は仲介手数料が加わるため、新築より高くなります(物件価格の6〜8%程度)。リノベ費用は工事内容によって大きく変わりますが、水回り+内装を全面リノベする場合は500〜800万円が宮崎の目安です。
この例では、総額で約760万円の差があります。ただし、ここからさらに税制の影響が加わります。
宅建士監修コメント 中古住宅は「買ってから想定外の修繕が必要になるリスク」があります。購入前にホームインスペクション(住宅診断)を入れることを強くおすすめします。費用は5〜10万円程度で、構造・雨漏り・シロアリなどの状態を専門家が診断してくれます。これを怠ると、入居後に数百万円単位の修繕費が発生することもあります。
【2026年最重要】税制改正で中古住宅が激変した
ここがこの記事で最も伝えたいポイントです。
2026年度の税制改正により、中古住宅の住宅ローン減税が大幅に拡充されました。
住宅ローン減税の新旧比較
| 住宅の種類 | 〜2025年 借入限度額・控除期間 | 2026年〜 借入限度額・控除期間 |
|---|---|---|
| 中古(一般) | 2,000万円・10年 | 2,000万円・10年(変わらず) |
| 中古(ZEH水準省エネ) | 3,000万円・10年 | 3,500万円・13年(★大幅拡充) |
| 中古(長期優良・低炭素) | 3,000万円・10年 | 3,500万円・13年(★大幅拡充) |
| 新築(ZEH水準省エネ) | 3,500万円・13年 | 3,500万円・13年(変わらず) |
子育て世帯への最大控除額の変化
省エネ基準を満たす中古住宅を購入した子育て世帯・若者夫婦世帯の場合、受けられる最大控除額が2025年の約210万円から2026年以降は約409万5,000円と、約2倍に拡大されました。
つまり「省エネ性能を満たす中古住宅」を選ぶと、2026年は新築とほぼ同等の税制優遇が受けられるようになったのです。
「リノベ済み省エネ中古」が狙い目
この改正で特に注目されるのが、リノベーションによってZEH水準の省エネ性能を達成した中古住宅です。
- 断熱改修・省エネ設備を導入してZEH水準を達成
- 住宅ローン減税で借入限度額3,500万円・13年の控除が適用
- さらに「先進的窓リノベ2026」「みらいエコ住宅2026」などの省エネ補助金も併用可能
中古の購入価格の安さ+省エネリノベ補助金+住宅ローン減税13年——この三点を組み合わせると、総合的なコストは新築を下回るケースが出てきます。
宅建士監修コメント ただし「ZEH水準を満たす中古」は市場にまだ多くありません。また、リノベーションで省エネ基準を達成するには、断熱性能の改修が必要で、対応できる業者を選ぶことが重要です。「省エネ補助金の登録業者かどうか」を業者選びの条件に入れることをおすすめします。
宮崎固有の比較軸:南海トラフと耐震性
全国向けの比較記事には書かれていない、宮崎ならではの重要な視点があります。
宮崎市は南海トラフの高リスクエリア
宮崎市は南海トラフ地震の想定震度が最大7のエリアに位置しています。2026年3月には宮崎市が津波ハザードマップを更新し、最新の浸水想定が公表されました。
家を購入する際、この「耐震性」と「立地の安全性」が新築・中古の比較において宮崎特有の重要な軸になります。
新築の場合
現行の建築基準法(新耐震基準・2000年基準)に基づいて建てられるため、耐震性は担保されています。さらにZEH住宅や長期優良住宅では耐震等級2〜3が標準になっているケースも多く、構造面での安心感は高い。
中古の場合
築年数によって耐震基準が大きく異なります。
| 築年数の目安 | 耐震基準 | リスク |
|---|---|---|
| 1981年5月以前 | 旧耐震基準 | 大規模地震での倒壊リスクが高い |
| 1981年6月〜2000年5月 | 新耐震基準 | 阪神大震災での被害も一部あり |
| 2000年6月以降 | 現行基準 | 現在の基準に準拠。比較的安心 |
宮崎で中古住宅を購入する場合、1981年6月以降の新耐震基準に適合した物件であることが最低条件です。さらに2000年6月以降の物件であれば、より安心できます。
また、海沿い・河川沿いのエリアは津波・洪水リスクも確認が必要です。宮崎市のハザードマップ(2026年3月更新版)で候補地を必ず確認しましょう。
宅建士監修コメント 耐震基準適合証明書の取得は、住宅ローン減税の適用条件にもなっています。中古を購入する場合は「耐震基準適合証明書が取れる物件か」を不動産会社に必ず確認してください。旧耐震基準の物件は証明書が取れないケースがあり、その場合は減税の適用外になります。
維持費・将来コストの比較
購入後のコストも比較しておく必要があります。
新築の維持費
| 費用項目 | 目安 |
|---|---|
| 固定資産税(新築軽減あり) | 最初の3〜5年は軽減措置あり |
| 修繕積立(目安) | 月1万円程度(将来の大規模修繕用) |
| 設備の交換時期 | 入居後10〜15年から順次発生 |
新築は最初の数年間は修繕費がほぼかからない反面、10〜15年後から外壁・屋根・設備の交換が始まります。
中古の維持費
| 費用項目 | 目安 |
|---|---|
| 固定資産税 | 新築軽減なし(評価額による) |
| 購入直後のリノベ費用 | 500万〜1,000万円(工事内容による) |
| 修繕費 | 状態次第。購入前の診断が重要 |
中古はリノベーション直後であれば、新築後10〜15年の状態と同様に修繕費を抑えられます。ただし「リノベしていない部分」に将来の修繕リスクが残ります。
あなたはどちらが向いているか?
ここまでの比較をもとに、判断の目安を整理します。
新築を選ぶべき人
間取り・設計にこだわりたい方。中古は既存の間取りが前提で、構造上変えられない部分があります。「この部屋配置でないと嫌だ」という明確なこだわりがある場合は新築が向いています。
修繕リスクを極力避けたい方。入居後しばらくは修繕費がかからない安心感は、新築ならではの強みです。「予算計画を立てやすい」という点でも新築に優位性があります。
省エネ・ZEH性能を最初から確保したい方。2028年以降、新築はZEH水準以上が住宅ローン減税の事実上の必須条件になる方向です。最新の省エネ基準で建てられた家は資産価値の維持にも有利です。
中古+リノベを選ぶべき人
立地・エリアを優先したい方。「大塚エリアに住みたいが新築は予算オーバー」という場合、中古なら同じエリアに予算内で入れる可能性があります。宮崎市の人気エリアは中古でも需要が高く、立地の良い物件が比較的出やすい。
自分好みの空間にしたい方。内装・間取りをリノベーションで一から作り直す場合、既製品の新築より自由度が高くなります。無垢材・造作家具など素材にこだわりたい方にも向いています。
総額を抑えて手元資金を確保したい方。住宅購入後も「子どもの教育費」「突発的な出費」に備えた手元資金が必要です。新築より数百万円〜1,000万円以上安くなる中古は、資金面での余裕を作りやすい選択肢です。
SUN編集部より SUNの編集長自身も、宮崎市内で中古住宅を購入しリノベーションを進めています。「実際にどの業者に頼んだか」「リノベ費用はいくらかかったか」「補助金は使えたか」——これらのリアルな体験談は、別記事で全記録しています。
→【関連記事】SUN編集長の中古住宅リノベ記|購入から工事完了までの全記録(近日公開)
宮崎での具体的な動き方
新築・注文住宅を検討している方へ
最初のステップは「複数の工務店・ハウスメーカーからプランを取り寄せること」です。1社だけの見積もりでは価格の妥当性が判断できません。
タウンライフ家づくりを使えば、希望条件を一度入力するだけで複数社から無料で間取りプランと見積もりを取り寄せられます。展示場に行く前の情報収集として最適です。
→ 無料で間取りプランを一括請求する(タウンライフ家づくり)
中古住宅を検討している方へ
まず宮崎市のハザードマップで候補エリアの安全性を確認しましょう。次に「新耐震基準(1981年6月以降)」の物件に絞って探すのが基本です。
移住者の方や格安物件を探している方は、宮崎市の空き家バンクも選択肢になります。補助金と組み合わせることで、取得コストをさらに抑えられます。
→【関連記事】宮崎市空き家バンクの使い方完全ガイド(近日公開) →【関連記事】宮崎県への移住補助金まとめ|最大200万円の制度を宅建士が解説
まとめ
2026年の宮崎で「新築vs中古」を比較した結論を整理します。
価格面では中古が有利。宮崎市では同じエリアで新築の半額前後で中古が買えるケースがあり、リノベ費用を加えても総額で数百万〜1,000万円以上の差が出ることが多い。
2026年の税制改正で中古の優位性が拡大した。省エネ基準を満たす中古住宅の住宅ローン減税が拡充され、子育て世帯の最大控除額は約2倍の409万5,000円に。新築と同等の税制メリットが受けられる条件が整いました。
宮崎固有の判断軸「耐震性」を忘れずに。南海トラフ高リスクエリアである宮崎では、中古を選ぶ際に耐震基準の確認が特に重要です。1981年6月以降の新耐震基準適合物件を選ぶことが大前提です。
最終的には「何を優先するか」で決まる。間取りへのこだわりや修繕リスク回避を優先するなら新築、立地と総額を優先するなら中古+リノベが合理的な選択です。
まずは複数のプランを手元に揃え、実際の数字で比較することが最初のステップです。
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この記事の価格データは宮崎市内の不動産ポータルサイト掲載物件(2026年6月時点)、税制情報は国土交通省・住宅ローン減税関連資料をもとに、宅地建物取引士が内容を確認しています。個別の物件・条件によって異なりますので、購入前には必ず専門家にご相談ください。






